環境に対する考え方
当社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンとし、社会をより良くしていくことが企業のDNAとなっています。持続可能な社会を実現するため、環境負荷の低減と企業価値の向上との両立を実現していきたいと考えています。当社が提供する印刷、物流サービスは紙等の資材やエネルギーを消費します。持続可能な社会の実現に向け、環境に配慮したシェアリングプラットフォームを展開し、生産性の向上と環境負荷の低減の両立を図りながら、事業運営を推進していきます。
TCFD提言への賛同と対応
当社は2021年4月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムに加入いたしました。
また、2022年よりTCFD提言に基づいたシナリオ分析を開始いたしました。
気候変動への対応
対応方針
- 近年のダボス会議において、「異常気象」や「気候変動対策の失敗」が高いリスクとして挙げられているように、気候変動は、人々の生活や企業の事業継続に深刻な影響を及ぼします。当社と従業員は、将来の地球に対する責任を果たすため、温室効果ガスの削減に努めます。
- 当社は、評価指標として温室効果ガスの排出量を測定・開示し、エネルギー効率の改善を行います。また、自社の活動及びサービスの利用により排出される温室効果ガスの削減を支援することで、バリューチェーン全体における温室効果ガスの排出を削減します。
指標と目標
温室効果ガス排出量の直近三年間における実績は下記ESGデータのとおりです。
当社グループの事業活動に伴うGHG排出量(Scope1+Scope2)については、2027年度までに100%削減することを目標として新たに設定しました。バリューチェーン全体のGHG排出量削減に向けて、引き続きテクノロジーを活用した資源の効率的利用や廃棄物の削減を推進し、アクションを実施していきます。

温室効果ガスの削減の取組
オフィス環境
当社は、環境負荷の低減を目的として、カジュアルおよびオフィスカジュアルの服装を推奨し、空調の温度設定を夏季は高めに、冬季は低めに調整することで、エネルギー使用の最適化に取り組んでいます。
また、2025年2月に本社を麻布台ヒルズ森JPタワーへ移転しました。同ビルでは、国際的なイニシアチブであるRE100に対応したCO₂排出ゼロの再生可能エネルギー由来の電力が100%使用されており、本社で使用する電力もすべて再生可能エネルギーとなります。環境に配慮した事業環境を選択することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
デジタル印刷の拡大

子会社のラクスルファクトリーでは、デジタル印刷を展開しています。デジタル印刷はアルミの版を使わず、印刷機に直接データを送信し印刷するため、印刷工程全体のCO2排出量の40-50%を占めるアルミ版の製造工程がなく、版を使用するオフセット印刷と比較し一定部数までは環境優位性があると言われています。また必要なタイミングに必要な量を小ロットから印刷できるため、余剰な印刷在庫や廃棄を削減できます。今後も需要に応じたデジタル印刷への一部転換を通じて、環境負荷低減の取り組みを進めていきます。
効率的な配送

物流サービスを提供する「ハコベル」では、配送業務の可視化・効率化によるCO₂排出量削減に取り組んでいます。最適な配送手段・ルートを提案する機能を提供し、パートナー企業の業務の効率化と環境負荷の低減を両立させています。
また、配送におけるCO₂排出量を可視化する機能を提供し、Scope3排出量の把握により企業の脱酸素化の取組みを支援しています。
紙資源の効率的な利用

印刷サービスを提供する「ラクスル」では、効率的な紙資源の利用に取り組んでいます。常の印刷では A4判を8面取れる紙に、同じ原稿を複数配置し裁断します。この場合、一度に印刷できるデザインは1つのみで、印刷のたびごとに版の作成と試し刷りが必要になります。これに対し当社では、受注した複数の案件をまとめて一度の印刷工程で済むよう、最も無駄が少なくなる組み合わせで配置し、サプライヤーへ発注しています。そうすることで顧客へは低コストで提供でき、サプライヤーは版の作成工程と紙の利用を削減できます。今後も日々テクノロジーを進化させ、ギャンギング印刷を拡大し、取引量の拡大と資源の効率的利用を進めていきます。
環境配慮型商材の展開
FSC®森林認証制度

当社は、持続可能な資材使用といった顧客ニーズに応え、環境保全への取り組みを更に進める目的から、2023年3月7日に、FSC森林認証制度の「FSC COC認証」を取得しました。CoC認証とは、原材料の調達から製造・加工・流通を行う連続性を認証したもので、製品のトレーサビリティ(生産・流通履歴の追跡)が可能になるため、適切に管理された森林から作られた信頼性の高い製品であることを示します。FSC認証紙商材の販売を通じて環境に配慮した資源である森林認証製品の普及に努めます。
※FSC®認証とは、環境、社会、経済分野の利害関係者の合意によって支持された、責任ある森林管理の原則と基準に基づく国際森林認証制度です。適切に管理された認証林やその他のリスクの低い由来からの原材料でつくられた製品をラベルで識別し、消費者はその製品を購入することで責任ある森林管理を支援することができます。
梱包・緩衝材資材

梱包材サービスを提供する「ダンボールワン」では、地球環境に配慮した梱包資材や緩衝材を通して、サステナビリティの取組みを推進しています。FSCⓇ認証紙を使ったダンボールは、同社がワンストップで企画・開発・制作することで取引コストを最適化し、お客様に対して価格面での貢献を実現しています。また、印刷会社から出る裁断くずや古紙を再利用し、有害な化学物質を含まない緩衝材「アローエコクッション」といった環境に配慮した商品を展開しています。