オン・オフ統合マーケティング施策の重要性が高まるなか、多くの企業では、広告チャネルに応じたクリエイティブ制作の負担が増大しています。こうした状況下、印刷・集客支援のプラットフォームを運営するラクスル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 グループCEO:永見世央、以下:ラクスル)は、世界で利用されるビジュアルコミュニケーションとデザインのためのプラットフォーム「Canva」を展開するCanva Pty Ltd(本社:オーストラリア、シドニー、CEO:メラニー・パーキンス、以下:Canva)と、日本市場における戦略的パートナーシップ契約を締結しました。
本資料では、両社の提携によって実現する「販促活動のワンストップ化」の詳細についてご紹介します。

 

 

■ マーケティングチャネルの増大で加速する、クリエイティブ制作の煩雑化

国内におけるインターネット広告市場は年々拡大しています。総務省が2025年7月に公表した「令和7年度版 情報通信白書」*¹によると、2024年の国内のインターネット広告市場規模は3兆6,517億円で、前年比9.6%で成長しています。一方、テレビメディア・新聞・雑誌・ラジオで構成されるマスコミ4媒体の広告市場は2兆3,363億円で、両者の広告費が初めて逆転した2021年以降もその差は広がり、総広告費に占めるインターネット広告の割合は拡大の一途をたどっています。

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また、インターネット広告のチャネルは、SNS広告や動画広告、検索連動型広告、リテールメディアなど多岐にわたります。旧来のオフライン広告とインターネット広告などのオンライン(デジタル)広告を効果的に組み合わせた、オン・オフ統合のマーケティング施策の重要性が高まるなかで、多くの企業がそれぞれのチャネルごとに最適化された多種多様なクリエイティブ制作を要するようになりました。

実際に、日本市場でデジタル広告の出稿業務に関わるマーケターを対象に、The Trade Desk社が2024年9~10月に実施した調査では、プロが制作したプレミアムな動画に配信するOTT 広告の課題として「広告クリエイティブの制作負担が大きい」という回答が32.2%にのぼり、最も多くの回答を集める課題となっています。*³

動画広告の分野における制作負荷の高まりに加え、個人や小規模チームが制作するSNS広告などのコンテンツや、旧来のオフライン広告への対応も含め、多くの企業において短時間で多様なクリエイティブを制作する必要性が増し、作業負荷が大きくなっています。

※1:(出展)2025年7月  総務省「令和7年版 情報通信白書
※2:2025年7月  総務省「令和7年版 情報通信白書」をもとに当社作成
※3:(出典) The Trade Desk「OTT 広告における転換点:マーケターがデジタル動画広告に求めていることとは? 」

 

 

■ 生成AIの進化による、デザイン制作の新潮流

このような状況下、デザイナーに限定せず誰でも短時間で表現力の高いクリエイティブをつくることができる、生成AI搭載のデザイン作成ツールは近年急成長しています。

特に、オーストラリア・シドニーに本社を構えるCanva社が運営する、オンライングラフィックデザインツール「Canva」の日本国内における利用拡大は顕著です。

〈Canvaとは〉
2013年にオーストラリア・シドニーで誕生した、ビジュアルコミュニケーションとコラボレーションのために構築された世界有数のオールインワンプラットフォームです。多彩なプロダクトと独自AIツールの搭載で、プレゼンテーション、SNS投稿、ポスター、ロゴ、動画など、さまざまな用途のデザインを直感的な操作で作成できることが特徴です。
2025年10月現在、世界190か国以上の大企業、中小企業、個人、学生に利用され、月間アクティブユーザー数は2.2億人にのぼります。

 

〈Canva 日本市場の現在地〉
日本市場に特化したローカライズ戦略のもと、2023年に日本法人のCanva Japanを設立後、特に中小企業や教育現場を中心にユーザー数が急拡大。
過去1年間で国内ユーザー数は約2倍に増加し、また国内で制作されたデザイン数は5億を超え、2025年夏にはCanvaの日本市場が世界全体の上位10位にランクインしています。

 

なかでも最も活用されているのは、SNS投稿用のクリエイティブで、国内で制作されたデザイン数は1.6億を超えています。インターネット広告を中心にオンオフ統合でデザイン制作の大量生産の重要性が増し、内製化が進んだ結果、Canvaを活用する中小企業などのユーザーからは「ブランドイメージに適合したデザインを、社内全員が使えるようにしたい」「モダンに刷新された印刷物のデザインを、より効率的に生産・納品したい」という声が多くあがるようになりました。

 

 

■ ラクスル×Canva 戦略的パートナーシップ契約締結の意義

上記の声が示すように、オンライン・オフラインを問わず、中小企業のマーケティング活動では、「デザインはデザイン制作サービス・会社に、印刷は別の会社に、さらにチャネルや媒体ごとの展開もそれぞれ別の会社に依頼する」といった形で工程が分断されがちです。この分断が、コストや手間の増大、ノウハウの蓄積を妨げるなどの課題につながっています。

そうしたなか、幅広い領域の販促・マーケティングサービスを提供するラクスルは、同じ課題意識を持つCanvaと戦略的パートナーシップ契約を締結することを発表しました。

 

〈ラクスルが提供する販促・マーケティングサービス〉
ラクスルは現在、中小企業のユーザーを中心に331万を超える顧客基盤を有するプラットフォームへと成長しています。チラシや名刺といった紙の販促物のみならず、ノベルティ、アパレル、HP制作、YouTube・SNS動画広告、デジタルサイネージ広告、DMサービスなど、幅広い販促・マーケティングサービスを提供。“半自動化”をキーワードにセルフサーブ型ECを主軸とし、ユーザーが安く、早く、ラクに購入できる体験づくりを磨き込んでいます。

この度のCanvaとの提携により、「CanvaでAIやテンプレートを活用してデザインを制作し、完成したデザインをそのままラクスルの販促サービスで印刷・展開する」という、ワンストップ体験が実現します。

両社でデザイン制作とマーケティング施策をシームレスに結びつけることで、「低コストで生産性高く、オンライン・オフラインを問わず販促物をすぐに作れる」環境を日本の中小企業に提供し、オンオフ統合での幅広いマーケティング活動を支援していきます。

 

 

■ 本パートナーシップ契約による取り組み

1. Canva上での、スムーズな印刷UXの提供
Canva上で作成したデザインを、そのままラクスルの強みである高品質・低価格・短納期の印刷サービスに直結。名刺・チラシの連携から始まり、ポスター、パンフレット、ノベルティ、アパレルなど多様な印刷ニーズにも順次対応してまいります。

 

2. ラクスル上での、デザインから印刷・配送までのワンストップ体験
ラクスル上からCanvaにシームレスに接続し、印刷、ダイレクトメール、エリアマーケティング、HP制作、デジタルマーケティングなど幅広いサービスをワンストップで利用できるようになります。

 

 

プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000502.000010550.html

 

 

■ 「ブランディングの民主化」の実現に向けて

今後も両社は、AIやテクノロジーの力を活用し、ユーザーの体験価値と生産性のさらなる向上に取り組んでまいります。
またラクスルは、オンライン・オフラインを問わず、販促サービスの幅を一層拡げていきます。
Canvaが持つデザインプラットフォームと、ラクスルが持つ販促プラットフォームが結びつくことで、中小企業が自らの手で、より創造的にブランドを育てられる環境が広がります。
本提携は、「販促活動のワンストップ化」を進めるだけでなく、これまで大企業に限られていたマーケティング投資を誰もが手の届くものにし、「ブランディングの民主化」という新たな社会の実現に向けた重要な起点と位置づけています。

 

 

■事業責任者コメント:
ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 Marketing&Business Supply統括部 印刷事業部 部長 
大山 雄也

このたびのCanva様との戦略的パートナーシップは、ユーザーにとってのデザインから販促・集客に至るまでの体験を、根本的に変革する非常に意義深い取り組みです。両社の強みを融合させることで、デザインから印刷物やWebサイトなどの販促集客を行うためのツールを、シームレスかつ滑らかに連携させていきます。
まず、多くのビジネスシーンで活用される名刺から協業を開始し、今後より多くの印刷物を中心に本取り組みを拡大していく所存です。
この提携は両社のサービスの垣根を越え、お客様に最高の顧客体験を提供するための第一歩です。
私たちは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、すべてのユーザーが創造力を発揮できる世界の実現に向けて、引き続き邁進してまいります。

 

ラクスル

印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」
全国の提携印刷会社の保有する印刷機の非稼働時間で印刷することにより、高品質な印刷物を低単価で提供する仕組みを開発。集客活動を支援する新聞折込・ポスティングなどの広告サービスも提供しています。